AIで企画案を評価・比較する方法|判断材料を集めて選ぶ進め方
複数の企画案を生成AIへ渡し、「どれが一番よいですか」と聞けば、順位や点数はすぐに返ってきます。しかし、その結果を会議で使おうとすると、「なぜこの案が1位なのか」「顧客は本当に求めているのか」「実行に必要な工数は確認したのか」といった疑問が残ります。
企画案を選ぶには、点数より先に判断材料が必要です。 AIには企画を決めてもらうのではなく、案を同じ形式に整え、選ぶために必要な情報を洗い出し、比較できる状態を作ってもらいます。
この記事のまとめ
- AIで企画案を評価するときは、採点より先に「今回何を決めるのか」と「何が分かれば選べるのか」を整理します。
- 公開されている競合や価格はAIで調べ、顧客の実際の反応や社内工数は社内データや担当者から確認します。
- 判断材料は「確認済み・仮説・情報不足」に分け、結果によって選ぶ案が変わる情報から追加で確かめます。
この記事では、次の3案から「次に小さく検証する法人向けAI研修」を選ぶ場面を例にします。
- A案:半日で基礎を学ぶ入門研修
- B案:4週間、実務の中でAIを使うOJT
- C案:部署ごとの業務に合わせたワークショップ
実際の企画では、この3案を手元の候補へ置き換えて読み進めてください。
企画案を比較する前に発想の幅を広げたい場合は、生成AIでアイデア出しする方法で、問題の捉え方や参照領域を変えて案を出す手順を紹介しています。
企画のどこでAIを使い、アイデア出しから企画書作成までどう進めるかは、生成AIで企画を進める方法で全体を整理しています。
1. AIに点数を付けてもらう前に、判断材料をそろえる
AIへ3つの企画案を渡すと、「B案は実務への定着が期待できるため1位です」のような評価を返すことがあります。理由まで書かれているため、判断しやすくなったように見えます。
ここで確かめたいのは、その理由がどの情報に基づいているかです。 B案の学習効果を示す実績も、講師が4週間伴走できるという社内情報も渡していない場合、その結論を確かめるには、学習効果の実績と講師の稼働情報が必要です。AIの説明が自然に読めることと、その根拠を確認できることは別です。
同じ3案でも、今回決めたいことによって評価は変わります。来月までに実施できる案を選ぶなら、既存教材を使える場合はA案が候補になります。長期的に実務へ定着させる案を選ぶなら、B案やC案を詳しく検討することになるでしょう。企画を選ぶ前に、今回の目的を決めます。
最初の依頼を、次のように変えてみてください。
変更前:
A案、B案、C案を100点満点で採点し、最もよい案を選んでください。
変更後:
A案、B案、C案を比較する前に、今回何を決める必要があるかを確認してください。
次に、比較に必要な情報と、現在不足している情報を挙げてください。
入力にない内容は推測せず、「情報不足」と記載してください。
変更後の依頼では、AIにまず判断材料と情報不足を出してもらいます。すると、次に調べることが見えます。 AIによる評価は、この準備ができてから比較のたたき台として使います。
2. 何を決めるかと、企画案の書き方をそろえる
比較を始める前に、今回決めることを明確にし、企画案の形式をそろえます。 ここが曖昧だと、企画内容の差と、説明量や書き方の差が比較結果に混ざります。
今回決めるのは、採用案か次に検証する案か
最初に「この比較で何を決めるのか」を一文にしてください。少なくとも、決める対象、期限、決めた後の行動が分かるようにします。
たとえば、次の二つは似ているようで判断の重さが違います。
- 来期に正式提供する研修を1つ決める
- 来月、顧客3社へ試す研修を1つ決める
正式提供する案を決めるなら、収益性、継続して提供できる体制、他社との違いなどを詳しく確認する必要があります。一方、次に試す案を決めるなら、短期間で準備できるか、試すことで何を確認できるかが重要です。
この記事では、「来月、既存顧客へ小さく試す研修を1つ決める」と設定します。最終採用ではなく、次の検証対象を選ぶ場面です。最終判断者と判断期限も決めておくと、調査だけが長く続く状態を避けやすくなります。
企画名・対象・価値・根拠を共通フォーマットにする
次に、すべての企画案を同じ項目で整理します。 比較用の共通フォーマットには、次の項目が使えます。
- 企画名
- 対象
- 解決する問題
- 提供する価値
- 実現方法
- 必要なリソース
- 期待する効果
- 現在ある根拠
- 不確実な点
ポイントは、不足している項目を「情報不足」として残すことです。たとえば、B案の必要講師数が未整理なら、「講師2名」と推測する代わりに「情報不足」と記録します。これで、次に確認すべき箇所が明確になります。
AIへは、次のように依頼できます。
以下の企画案を、次の共通項目で整理してください。
企画名/対象/解決する問題/提供する価値/実現方法/必要なリソース/期待する効果/現在ある根拠/不確実な点
書かれていない内容は推測せず、「情報不足」と記載してください。
意味が重なる説明はまとめますが、元の企画にない情報は追加しないでください。
企画案をGoogle SheetsにまとめてAIと接続すると、複数案を共通項目へそろえたり、不足情報を抽出したりする作業をAIへ任せやすくなります。 ChatGPTでは、利用しているプランと付与された権限によっては、Google Driveアプリからスプレッドシートを参照できます。Gemini in Google Sheetsでは、シート上で表の作成やデータ分析を行えます。
利用できる機能は、契約プランや組織の管理設定によって変わります。実際に使う前に、自社環境で確認してください。
形式をそろえると、各案の情報量の差と、企画そのものの差を分けて見られます。形式をそろえた次は、選ぶために必要な情報を洗い出します。
3. 評価基準を固める前に「何が分かれば選べるか」を出す
企画評価では、「市場性・独自性・実現可能性を5点満点で比べる」といった基準を最初に作りたくなります。共通の基準があると整理しやすい一方で、言葉が抽象的なままでは、AIが印象で点数を付ける余地が残ります。
そこで、評価基準を完成させる前に「この基準で比べるには、何を確認する必要があるか」を考えます。
仮の判断軸は、必要情報を探す出発点にする
最初の判断軸は、仮置きから始めます。今回の研修企画なら、次のような軸から始められます。
- 顧客の課題に合うか
- 来月までに試せるか
- 試すことで、次の判断に必要なことを確認できるか
この段階では、採点に使う判断材料を洗い出します。採点は判断材料がそろった後に行います。「顧客の課題に合うか」を比べるなら、顧客が現在どこで困っているのか、どの形式なら参加できるのか、研修後にどんな変化を求めているのかを確認します。
「来月までに試せるか」を比べるなら、教材の準備期間、講師の空き時間、顧客側の日程調整が判断材料になります。「試すことで何が分かるか」を比べるなら、試行後にどの反応や成果を確認できるかを決めます。
| 仮の判断軸 | 必要な判断材料 | 何の比較に使うか |
|---|---|---|
| 顧客の課題との一致 | 顧客から出ている相談、参加したい対象者、求める成果 | A案とC案を、顧客の課題との一致で比べる |
| 来月までの実施しやすさ | 教材の準備期間、講師の稼働、顧客との調整期間 | 3案を、来月までの実施しやすさで比べる |
| 試すことで分かること | 確認したい仮説、参加後に取れる記録、次の判断期限 | 3案を、試した後に確認できる内容で比べる |
必要な判断材料が見えると、評価基準も具体的になります。企画案を整理する中で新しい情報が見つかったら、仮の判断軸を見直してください。最初に作った軸を守ることより、今回の選択に役立つ基準へ変えることが大切です。
各情報を何の比較に使うかまでAIに問う
AIへ「比較に必要な情報を挙げてください」とだけ聞くと、市場規模、競合、顧客ニーズ、コスト、リスクなど、多数の項目が返ってくることがあります。それらをすべて調べると、企画を選ぶ前に調査が膨らみます。
必要情報を出してもらうときは、その情報を何の比較に使うかも聞いてください。
今回決めたいことは、「来月、既存顧客へ小さく試す研修を1つ選ぶこと」です。
A案は半日の入門研修、B案は4週間の実務OJT、C案は部署別ワークショップです。
3案を比較するために、何を確認する必要がありますか。
各情報について、次の内容を示してください。
- 確認が必要な理由
- どの判断軸に使うか
- どの案同士の比較に使うか
- 現在の入力だけで確認できるか
たとえば、「顧客は実務に合わせた内容を求めているか」という情報は、A案とC案を顧客課題との一致で比べるときに使えます。一方、一般的なAI研修市場の規模は、既存顧客へ来月試す案の比較へ直接結び付きにくい情報です。
このように、情報の量ではなく、何の比較に使うかを見ます。 次は、必要になった情報をAIで調べるものと、人が確かめるものに分けます。
4. 外部情報はAIで調べ、内部情報は社内データや担当者で確かめる
必要な判断材料が分かったら、取得先を決めます。 公開されている情報はAIを使ったWeb調査と相性がよく、自社固有の情報は社内の記録や担当者から集める必要があります。まだ起きていない顧客の反応は、顧客への確認や試行を通じて確かめます。
| 情報の種類 | 具体例 | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 外部情報 | 競合研修の対象、形式、期間、公開価格、公開されている導入事例 | 企業の公式サイト、公的資料、業界団体の資料 |
| 内部情報 | 顧客からの相談、講師の稼働、過去研修の参加状況、営業の反応 | CRM、問い合わせ記録、社内担当者、過去の実施記録 |
| 検証が必要な情報 | 顧客が参加するか、研修後に行動が変わるか、継続利用するか | 顧客への確認、試行版、実施後の観察 |
情報の取得先と確かめ方を分けると、「AIが知らないことを推測で埋める」状態を防げます。 また、誰に何を聞けば比較を進められるかも明確になります。
競合・市場・公開価格は、企画案の差が分かる問いで調べる
外部情報は、今回の3案を比べるために必要な項目へ絞って調べます。
法人向けAI研修の3案を比較するために、競合サービスを調べてください。
確認する項目:
- 対象者
- 提供形式
- 期間
- 公開価格
- 実務演習の有無
- 成果の確認方法
各情報に出典URLと公開日または更新日を付けてください。
公式情報を優先し、確認できない項目は「確認できず」と記載してください。
最後に、A案・B案・C案の比較へ使える事実だけを整理してください。
調査結果では、事実とAIの仮説を分けます。「競合の多くは半日研修を提供している」と事実として扱うなら、参照したサービスと調査条件を確認します。「そのためC案に差別化の可能性がある」は、集めた事実から考えた仮説です。仮説自体も企画を考える材料になります。事実とは別の欄に置くと、判断しやすくなります。
数字を使う場合は、対象、時点、出典も確認してください。対象、時点、出典が今回の比較と合う結果だけを、比較表へ入れます。
顧客の反応・工数・社内事情は、担当者やデータに当たる
社内で確かめる情報は、社内の記録や担当者から集め、AIは集めた情報の整理に使います。 既存顧客がどんな相談をしているかは、まず営業記録や問い合わせを確認します。講師が4週間のOJTへ対応できるかは、担当者の稼働と他案件の予定で判断します。
確認先まで決めると、次の行動へ移りやすくなります。
- 顧客の課題:営業記録と問い合わせを確認し、必要なら営業担当者へ聞く
- 実施できる体制:研修責任者へ準備期間と講師の稼働を確認する
- 過去の反応:以前の研修について、参加率、質問、実施後の利用状況を確認する
- 顧客の参加意向:候補となる顧客へ、形式と時期を示して聞く
社内資料をAIへ渡して整理する場合も、資料にないことは「情報不足」と残します。「営業担当者の感触ではC案がよさそう」という発言は、顧客の参加意向を確認した事実とは異なります。仮説として残し、顧客への確認につなげてください。
外部情報と内部情報が集まったら、仮の判断軸を具体的な評価基準へ変えます。
5. 集めた材料から評価基準を具体化し、同じ条件で比べる
評価基準は、案を見た印象ではなく、集めた判断材料と結び付けます。 「顧客価値が高い」「実現可能性が高い」という言葉だけでは、担当者によって見方が変わるためです。
仮の判断軸を、確認できる評価基準へ変える
「顧客の課題に合うか」は、次のように具体化できます。
- 既存顧客から同じ課題が実際に出ているか
- 想定する参加者が研修形式へ参加できるか
- 研修後に期待する行動を顧客と共有できるか
「来月までに試せるか」なら、教材の準備期間、必要な講師数、顧客との日程調整を見ます。「試すことで何が分かるか」なら、試行後に取得できる記録と、次の判断に使える問いを確認します。
| 抽象的な判断軸 | 確認できる評価基準 | 主な判断材料 |
|---|---|---|
| 顧客の課題との一致 | 顧客が抱える課題と、研修後に期待する行動が明確か | 問い合わせ、営業記録、顧客への確認 |
| 来月までの実施しやすさ | 期限までに教材と講師を用意できるか | 準備項目、担当者の予定、過去の制作工数 |
| 試すことで分かること | 試行後に次の判断へ使える記録を取れるか | 確認したい仮説、参加後の質問、利用状況 |
点数を使う場合は、何を満たせば何点になるかを先に決めます。精度を左右するのは、数字の細かさより元の判断材料です。まず、基準を満たすか、条件付きで満たすか、まだ判断できないかを整理する方が使いやすいでしょう。
総合点より、差・トレードオフ・根拠の強さを見る
3案を比較するときは、総合点だけでなく、どこで差がついたかを見ます。 たとえば、次のような比較になったとします。
| 比較する内容 | 3案の差 | 確認状況 |
|---|---|---|
| 来月までの実施しやすさ | A案は既存教材を使える。B案は講師の稼働確認が必要。C案は部署別の事前準備が必要 | A案は確認済み。B案とC案は一部が情報不足 |
| 顧客の課題との一致 | C案が顧客に合いそうだという営業担当者の声がある。A案とB案への具体的な要望は未整理 | C案は仮説。A案とB案は情報不足 |
| 試すことで分かること | A案は参加後の理解を確認しやすい。B案は実務利用を観察できる。C案は部署固有の課題を確認できる | 確認方法は決められている。結果は未取得のため情報不足 |
この表だけで最良案を決めることはできませんが、各案の強みと不足している情報は整理できます。A案は実施しやすい一方、顧客が求める内容かを判断する情報が不足しています。B案では実務での利用状況を観察できますが、講師の稼働を確保できることが条件です。C案は顧客課題に近い可能性があるものの、その根拠は営業の感触にとどまっています。
このように整理すると、案の強さだけでなく、トレードオフと根拠の強さを説明できます。会議では、「C案が70点だから」という結論より、「C案は顧客課題に合う可能性があり、顧客への直接確認が残っている」と説明できます。
確認済み・仮説・情報不足を比較表で分ける
判断材料は、次の3つに分けます。
- 確認済み:出典、社内データ、担当者への確認などで内容を確かめられた
- 仮説:確認済みの事実から考えられるが、今回の対象ではまだ確かめていない
- 情報不足:判断に必要だが、材料をまだ持っていない
仮説も比較の材料になります。採点に使う前に、確認済みの事実と区別します。情報不足の項目は、0点や3点へ変える代わりに評価を保留します。
AIには、次の形式で比較を依頼できます。
A案、B案、C案を、確定した評価基準ごとに比較してください。
各項目に次の内容を記載してください。
- 現時点の結論
- 結論の根拠
- 確認状況(確認済み・仮説・情報不足)
- 追加で確認する内容
- 確認先
情報不足の項目は採点しないでください。
最後に総合順位を出すのではなく、各案が有力になる条件と、候補から外れる条件をまとめてください。
比較表ができると、追加で確認する候補も見えてきます。すべてを同じ深さで調べるのではなく、結果によって選ぶ案が変わる情報を優先します。
6. 結果によって選ぶ案が変わる情報から確認する
企画には、最後まで不確実性が残ります。すべてを確認しようとすると、時間がかかり、判断期限を過ぎてしまいます。
追加で確かめる情報は、「結果が分かったら、案の優先順位が変わるか」で選びます。
優先順位が逆転する条件を先に探す
研修企画の比較では、次のような条件が考えられます。
- B案に必要な講師の稼働を確保できなければ、来月の検証候補から外れる
- 既存顧客が部署別の内容を強く求めていれば、C案の優先順位が上がる
- 顧客が半日しか時間を取れなければ、A案が現実的な候補になる
これらは、「どの結果なら選ぶ案が変わるか」を表した条件です。条件が見えたら、判断への影響と確認の手間を比べます。
| 確認すること | 判断への影響 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 講師が来月4週間対応できるか | B案を実施候補に残せるかが決まる | 研修責任者と予定を確認する |
| 顧客が部署別の内容を求めているか | A案とC案の優先順位が変わる | 候補顧客へ形式を示して聞く |
| 既存顧客が来月参加できるか | 試行できる案と実施時期が変わる | 候補顧客へ日程と形式を示して聞く |
判断への影響が大きく、確認しやすい情報から着手します。 判断への影響が小さい情報は、後回しにできます。
優先度の高い情報に合う確認方法を選ぶ
第4章で分けた確認先を、ここでは優先度の高い情報へ割り当てます。
- 講師の稼働を確かめるなら、研修責任者へ予定を確認する
- 顧客が希望する形式を確かめるなら、候補顧客へ具体案を示して聞く
- 研修後に行動が変わるかを確かめるなら、短い試行版で利用状況を観察する
- 公開価格や提供条件を確かめるなら、企業の公式情報を調べる
小さなテストも、目的を決めてから行います。 A案の短縮版を試すなら、満足度だけで終えず、「参加者が研修後に自分の仕事でAIを使えたか」を確認します。C案を試すなら、「部署固有の題材を使うことで、一般的な研修より質問や実践が増えたか」を見ます。
AIへ優先順位を整理してもらう場合は、次のように依頼します。
情報不足の一覧から、結果が判明するとA案・B案・C案の優先順位が変わる可能性が高いものを挙げてください。
各情報について、次の内容を整理してください。
- 判断への影響
- 確認にかかる手間
- 確認方法
- 誰に確認するか
- 先に確認する理由
確認できるまでの時間と、今回の判断期限も考慮してください。
追加確認で新しい情報が得られたら、比較表へ戻して更新します。結果によっては、最初の3案から1つを選ぶより、案の内容を変えた方がよいこともあります。
7. 比較結果を使い、企画案と判断理由を更新する
企画案の評価は、候補の順位付けに加え、案そのものの改善にも使えます。 比較で見えた強みは残し、弱みは条件を変えて補います。
1位を選ぶだけでなく、企画案を修正・統合する
たとえば、B案の「実務の中で試す」点には価値があるものの、4週間の講師稼働を確保するのが難しいとします。一方、C案の「部署別の題材を使う」点は顧客の課題に合っていますが、部署ごとの準備に時間がかかります。
この場合、B案とC案の要素を組み合わせて、「1つの部署を対象に、2週間だけ実務で試す研修」へ変えることが考えられます。対象と期間を絞ることで、実務利用を観察しながら準備負荷を抑えられる可能性があります。
案を統合したときは、説明が複雑になっていないか、必要な教材が増えていないかも確認します。新しい案も、同じ評価基準で確認してください。
- 顧客の課題に合っているか
- 来月までに準備できるか
- 次の判断に必要なことを確認できるか
比較結果は、案を採用するか見送るかだけでなく、どの条件を変えれば前へ進めるかを考えるために使えます。
選んだ理由と情報不足を次の検証へ残す
最後に、AIを使って判断メモを作ります。 判断メモには、少なくとも次の内容を残してください。
- 今回選んだ案
- 選んだ理由
- 重視した評価基準
- 根拠として確認した情報
- 残っている仮説と情報不足
- 見送った案を再検討する条件
- 次の検証で確かめること
「この案を選んだ」だけでは、数か月後に判断理由を振り返りにくくなります。「既存顧客2社へ確認し、部署別の題材を求めていたため」のように、判断材料とのつながりを残します。具体的な件数は、実際に確認した数字を使ってください。
AIには、次のように整理を依頼できます。
比較結果と追加確認の内容を使い、判断メモを作ってください。
記載する内容:
- 選んだ案
- 選んだ理由
- 重視した評価基準
- 確認した事実
- 仮説として残ること
- まだ不足している情報
- 見送った案を再検討する条件
- 次の検証
入力にない理由や事実は追加しないでください。
案を統合する場合は、増える準備負荷と新しく確認が必要なことも示してください。
判断理由を残しておくと、結果が想定と違ったときに、どの仮説や情報が違っていたかを確認できます。その振り返りが、次の企画評価で使える判断材料になります。
まとめ
AIで企画案を評価・比較するときは、AIにまず企画案の整理、必要情報の洗い出し、同じ条件での比較を任せます。集めた判断材料をもとに、最終判断は人が行います。
全体の流れを振り返ると、次のようになります。
- 今回何を決めるのかを一文にする
- 企画案を共通フォーマットへそろえる
- 仮の判断軸から、選ぶために必要な情報を出す
- 外部情報はAIで調べ、内部情報は社内データや担当者で確かめる
- 確認済み・仮説・情報不足を分けて比較する
- 結果によって選ぶ案が変わる情報から追加で確かめる
- 比較結果を使い、企画案と判断理由を更新する
この流れなら、AIの点数をそのまま採用するのではなく、自分たちが何を重視し、何を確認して選んだのかを説明できます。
まずは手元の2〜3案を、第2章で示した共通フォーマットの9項目へそろえてみてください。 空欄は推測で埋めず、「情報不足」と残します。そのうえでAIへ、「この案を選ぶには、何が分かっている必要がありますか」と聞くところから始めましょう。
参考資料
AI実務
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