生成AIで企画を進める方法|アイデア出し・比較・企画書作成まで

AI実務AI実務2026.11.01
生成AIで企画を進める方法|アイデア出し・比較・企画書作成まで

生成AIへテーマを伝えると、アイデアや企画書の構成を短時間で作れます。一方で、案は増えたのに選べない、もっともらしい企画書はできたが根拠が足りない、といったところで止まることがあります。

企画では、アイデアを出すこと、検討する案を絞ること、判断材料を集めること、企画書にまとめることを分けて考えます。工程によって、生成AIに任せやすいことと、人が確認・判断することが異なるからです。

この記事では、企画のどこで止まっているかを確認し、生成AIを使って次の工程へ進む方法を紹介します。最初から順番に読む必要はありません。今の困りごとに近いところから読み進めてください。

この記事のまとめ

  • 企画が止まったときは、案が出ないのか、選べないのか、判断材料が足りないのか、企画書にまとまらないのかを分けます。
  • アイデアが出ないときは、同じ問いで案数を増やす前に、人、調査、別領域、AIから発想の材料を増やします。
  • AIで案が増えた後は、似た案を整理し、何を重視するかと、選ぶために足りない情報を確認します。
  • 公開情報の調査や比較はAIで進められますが、顧客の反応、社内事情、重要な数字、最終判断は人が確認します。
  • 生成AIで企画を進めるとは、一度で完成させることではなく、考える、調べる、比べる、直すという往復を進めやすくすることです。

1. 生成AIで企画はどこまで進められるのか

生成AIは、アイデア出しだけでなく、企画の複数の工程で使えます。例えば、課題の捉え方を広げる、案を共通の形式へ整える、比較に必要な情報を洗い出す、企画書の構成と初稿を作る、といった使い方があります。

ただし、最初から「企画を完成させてください」と頼むと、確認していない前提や数字を含んだまま、自然な文章にまとまることがあります。企画を工程に分け、各工程で作ったものを確認してから次へ進む方が、ずれたときに戻る場所も分かりやすくなります。

企画全体は、次のように整理できます。

  1. 発想の材料を集める
    顧客の困りごと、現場の観察、他人の経験、事例、別領域の仕組みなどを集めます。
  2. アイデアの方向を広げる
    問題の捉え方や関係者の立場を変え、まだ見ていない方向を探します。
  3. 検討する案を絞る
    似た案をまとめ、目的や外せない条件に合う案を残します。
  4. 判断材料を集めて比較する
    何が分かれば選べるかを整理し、必要な情報を確認します。
  5. 企画案を見直す
    調べた結果に合わせて、案を修正、統合、または見送ります。
  6. 企画書にする
    読み手が判断できる順番へ情報を整理し、提案と次の行動を示します。

AIは、候補を出す、整理する、不足を見つける、文章にする工程を支援できます。人は、今回何を決めるか、どの情報を根拠にするか、何を優先するか、誰が責任を持つかを決めます。

2. まず、企画のどこで止まっているかを見る

同じ「企画が進まない」という状態でも、止まっている場所によって次にすることは変わります。案が出ないときに比較表を作っても進みません。反対に、候補が十分あるのに案を増やし続けると、選ぶ負担が大きくなります。

今の状態に近い行から読んでください。

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企画を順番に進めていても、途中で前の工程へ戻ることがあります。例えば、案を比較した結果、顧客の困りごとを捉え直す必要があると分かることもあります。戻ること自体が失敗なのではなく、足りない材料やずれた前提が見つかったということです。

3. アイデアが出ないときは、発想の材料を増やす

アイデアが出ないとき、自分の頭の中だけで考え続けても、同じ知識や経験をたどることがあります。その場合は、案数を目標にする前に、発想に使える材料を増やします。

材料を増やす方法には、一人で考える、人と話す、調べる、AIと考えるという選択肢があります。それぞれから得られるものは異なります。

  • 一人で考える:自分の経験や違和感を、途中で中断せずにたどれます。
  • 人と話す:自分にはない経験、仕事上の制約、現場で起きていることを知れます。
  • 調べる:記憶や想像では分からない事実、事例、数字を確認できます。
  • AIと考える:複数の切り口を出し、次に誰へ聞くか、何を調べるかを広げられます。

どれか一つが常に優れているわけではありません。現場の実態が分からないなら担当者へ聞き、似た取り組みを知らないなら調べます。考える切り口が固定されているなら、AIに別の見方を出してもらいます。

4つの方法の違いと使い分けは、良いアイデアはどこから来る?一人で考える・人と話す・調べる・AIと考えるを比較で詳しく説明しています。

また、発想力は、自分の中から案を出す力だけではありません。普段とは違う人、情報源、領域、経験から視点を持ち込み、自分の課題へつなぎ直す方法は、発想力とは「思いつく力」なのか?自分の外から視点を持ち込む方法で紹介しています。

4. 生成AIでアイデアを広げるときは、案数より方向を変える

ChatGPTやGeminiへ「アイデアを20個出してください」と頼むと、案は増えます。ただし、表現が違うだけで、同じ考え方に偏ることがあります。似た案が続いたら、個数を増やす前に、AIが考える方向を変えます。

変えられるものは、大きく4つあります。

  1. 問題の捉え方を変える
    表面に見えている問題だけでなく、原因、起きる場面、困っている行動から捉え直します。
  2. 関係者の立場を変える
    利用者、運用担当者、管理者など、経験や利害が異なる人から見ます。
  3. 参考にする分野を変える
    似たサービスではなく、似た問題を解いている別の業界や分野を探します。
  4. 前提や制約を変える
    予算、人員、期間などの現実条件を加えたり、普段の方法を一時的に使わない条件を置いたりします。

例えば、新人教育の企画で似た研修案ばかり出るなら、「情報を増やさない」「教育担当者を増やさない」という条件を置くと、必要な場面で短い支援を出す方法や、仕事の中で確認できる仕組みへ目を向けられます。

具体的な問いの作り方とプロンプト例は、生成AIでアイデア出しする方法|ChatGPT・Geminiで発想を広げる使い方で確認できます。

5. 案が増えた後は、似た案を整理して検討するものを絞る

AIで案を出した後、すべてを同じ深さで調べる必要はありません。まず、似た案をまとめ、それぞれが何を変えようとしているかを確認します。そのうえで、企画の目的や外せない条件に合わない案を外します。

例えば、問い合わせを減らす企画には、FAQを増やす、検索を改善する、質問前に候補を出す、担当者へ自動で振り分けるといった案があります。このとき、表現ではなく「情報を見つけやすくする」「質問そのものを減らす」「対応を速くする」など、変えようとしていることから整理します。

案を選べない理由は、次の二つに分けてください。

  • 何を重視するか決まっていない:目的、守る条件、優先する成果を決めます。
  • 決めるための情報が足りない:何が分かれば候補の順番が変わるかを確認します。

この段階では、最終案を一つに決めなくてもかまいません。詳しく調べる案や、小さく試す案を2〜3件に絞れれば、次の比較へ進めます。

AIで増やした案を整理し、情報不足を見つけながら企画案を見直す考え方は、AIでアイデアを大量に出せる時代、企画力は何になるのか?で詳しく解説しています。

6. 複数の企画案は、点数を付ける前に判断材料をそろえる

候補を絞ったら、案を同じ形式へそろえます。企画名だけを比べるのではなく、対象者、解決したい問題、提供する価値、実施方法、必要な人や費用、期待する成果などを同じ項目で整理します。

次に、何が分かれば選べるかを考えます。最初から評価基準を固定するのではなく、比較の観点を仮に置き、必要な情報を洗い出してみてください。

進め方は次のとおりです。

  1. 今回決めることを明確にする
    採用する案を決めるのか、次に検証する案を決めるのかを分けます。
  2. 企画案を同じ形式へ整える
    対象、価値、根拠、方法、条件をそろえます。
  3. 比較の観点を仮に決める
    効果、実行しやすさ、費用、顧客への影響など、選ぶために見たい観点を出します。
  4. 足りない情報を洗い出す
    現時点で確認できていること、仮説、情報不足を分けます。
  5. 選び方が変わる情報から確認する
    結果によって候補の順番が入れ替わる情報を優先します。
  6. 同じ条件で比較する
    総合点だけでなく、案ごとの強み、弱み、まだ分からない点を見ます。

AIには、案を整理し、判断軸の候補と情報不足を出してもらえます。ただし、AIが自然な理由を説明しただけでは、根拠を確認したことにはなりません。

判断材料を集めて比較する具体的な手順は、AIで企画案を評価・比較する方法|判断材料を集めて選ぶ進め方で紹介しています。

7. AIで調べることと、人が確認することを分ける

企画に必要な情報には、公開情報から確認できるものと、社内や現場でなければ分からないものがあります。すべてをAIへ聞くのではなく、情報の場所に合わせて確認方法を変えます。

AIを使って進めやすいこと人が確認すること
公開されている市場情報や競合事例の候補を探す顧客が実際に困っていること、過去の反応
複数の資料から共通点や違いを整理する社内の人員、工数、予算、運用上の制約
比較に必要な情報の候補を洗い出す売上、利用状況、原価などの重要な社内数字
仮説や確認すべき質問を出すどの成果を優先し、どのリスクを受け入れるか
比較表や確認項目の下書きを作る最終的にどの案を進め、誰が責任を持つか

公開情報をAIで調べた場合も、重要な数字、料金、制度、企業の取り組みは元の資料へ戻って確認します。AIの回答に情報源が付いていても、そのページが実際に主張を支えているかを見てください。

社内情報は、担当者への確認や社内データから集めます。情報が見つからない場合は、分かったことに見せず、「未確認」「仮説」「確認が必要」と残します。分からないことを明確にするだけでも、次の調査や小さな検証を決めやすくなります。

8. 企画が決まったら、相手が判断できる企画書にする

企画書を作るときは、AIへいきなり「企画書を書いて」と頼む前に、誰に、何を、いつまでに判断してほしいかを決めます。企画書は、調べた内容をすべて載せる資料ではなく、相手が次の行動を決めるための資料だからです。

軽い企画と重い企画では、AIの使い方も変わります。

  • 軽い企画:目的、条件、手元の材料を渡し、構成と初稿を速く作ります。人は、数字、担当者、期限、依頼事項を確認します。
  • 重い企画:先に判断材料と根拠を厚く確認します。企画書の本編には、判断に必要な内容を絞り、詳しいデータは補足資料へ分けます。

AIは、材料を項目ごとに整理する、構成案を作る、文章の抜けを見つける、読み手から出そうな質問を挙げる、といった作業に使えます。人は、確認済みの事実と仮説を分け、提案内容、優先順位、誰が実行を担うかを決めます。

企画書の準備、構成、初稿、確認までの進め方は、生成AIで企画書を作る方法|ChatGPT・Gemini・Claudeで構成・情報整理・改善で詳しく説明しています。

9. 企画は一方向ではなく、前後の工程を行き来しながら進める

実際の企画は、アイデア出しから企画書まで一直線に進むとは限りません。比較してみると情報不足が分かり、調べた結果によって企画案を直すことがあります。企画書の構成を作ったことで、読み手が判断するための数字が足りないと気づくこともあります。

例えば、次のように進みます。

アイデアを出す
→ 検討する案を絞る
→ 比較して情報不足に気づく
→ 顧客や担当者へ確認する
→ 企画を修正する
→ 企画書を作る
→ 読み手の質問を想定し、追加で確認する

AIを使う目的は、この往復をなくすことではありません。案や資料を整理し、次に何を確認するかを見つけやすくすることで、必要な見直しを早く進められるようにします。

企画を直したときは、何が分かって、どこを変えたのかを残してください。採用しなかった案や、判断が変わった理由も残すと、同じ検討を繰り返さずに済みます。

10. 一つの企画を使って、生成AIとの進め方を試す

最初から重要な企画をすべてAIで進める必要はありません。自分が内容を理解していて、必要な情報を確認でき、途中で修正できる企画を一つ選びます。

次の順番で試してください。

  1. 今回決めたいことを書く
    誰のどの問題について、何を決めたいのかを一文にします。
  2. 手元にある材料を分ける
    確認済みの情報、仮説、まだ分からないことを整理します。
  3. 発想の方向を広げる
    問題の捉え方、関係者、参考にする分野、前提を変えて候補を出します。
  4. 検討する案を2〜3件に絞る
    似た案をまとめ、目的と外せない条件に合うものを残します。
  5. 判断材料を集める
    結果によって選ぶ案が変わる情報から確認します。
  6. 案を比較して見直す
    強みと弱みだけでなく、情報不足と次に確かめることも整理します。
  7. 企画書にまとめる
    読み手、判断してほしいこと、期限に合わせて構成と初稿を作ります。

各段階で、AIが出した内容と、自分や関係者が確認した内容を分けて残します。企画が進んだ後は、役に立った問い、判断基準、確認方法を次の企画でも使える形にしておくと、毎回ゼロから始めずに済みます。

生成AIを使った企画に関するよくある質問

企画の最初からAIを使った方がよいですか?

必ずしも最初から使う必要はありません。すでに顧客の声や現場の課題が分かっているなら、その材料を整理してからAIへ渡します。白紙の状態なら、AIに完成案を求める前に、関係者、困りごと、確認したいことを出してもらうところから始めます。

AIに一番よい企画を選んでもらえますか?

AIは、企画案を同じ形式へ整え、比較する観点や不足情報を出せます。しかし、社内事情や顧客の実際の反応を知らないまま、最終案を決めることはできません。AIが付けた順位は結論ではなく、何を確認すれば選べるかを考える材料として使います。

ChatGPT・Gemini・Claudeは、どれを使えばよいですか?

まずは、会社で利用を認められ、必要な資料を安全に扱えるものを使います。企画の進め方を覚える段階では、複数のサービスを細かく比較するより、同じサービスで問い、材料、判断基準を変えたときの違いを確認する方が進めやすくなります。

調査はどこまで行えばよいですか?

すべての不明点をなくす必要はありません。結果によって企画の優先順位や、実施するかどうかの判断が変わる情報から確認します。それでも分からないことは、企画書の中で仮説や未確認事項として示し、実施前または小さな検証で確かめる内容を決めます。

まとめ

生成AIは、アイデアを出すだけでなく、案の整理、判断材料の洗い出し、比較、企画書の作成にも使えます。ただし、企画を一度の依頼で完成させるのではなく、工程を分け、各段階の出力を確認しながら進めます。

案が出ないときは材料と発想の方向を増やします。案が多すぎるときは、似た案を整理し、目的と条件に合うものを残します。選べないときは、何が分かれば判断できるかを整理し、必要な情報を確認します。企画が決まったら、読み手が判断できる企画書へまとめます。

まずは、現在進めている企画について、「案が出ない」「絞れない」「比べられない」「企画書にまとまらない」のどこで止まっているかを書き出してください。止まっている場所が分かれば、AIへ任せることと、人が確認することを決めやすくなります。

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